君の名は。の「新海誠、その作品と人。EYESCREAM」感想 新海ファン必見の書
雑誌「新海誠、その作品と人。EYESCREAM」を読みました。
この雑誌EYESCREAMはわずか104ページの本です。
104ページと聞くと、とても内容が薄く感じるかもしれませんね。
ところが、圧倒的な内容がつまっています。
それはただの感想ではなく、本当の意味で情報量が多いのです。
ここに新海誠25000字インタビューとあります。
この本を見ていただくとわかるんですが、半端ない量ですよ。
作文用紙は400文字ですよね。
その作文用紙の62.5倍のボリュームということです。
実際どのくらい凄いのが、中身を見てみましょう。
新海誠25000字がどれくらい凄いか?
ほら、こんなにびっしりです。
104ページだとすぐに読めるだろうって思うじゃないですか?
すぐに読める量ではないです。
他のページももちろんこんな感じです。
ね、すごい文字の量なんですよ。
新海誠監督へのインタビューはもちろんのこと、
スタッフや今までの作品に関わってきた方へのインタビューもたっぷりです。
もちろん、映画を多くの人に知ってほしい。
見て欲しいからこそインタビューは受けていると思います。
でも、新海監督関連の書籍はみんなそうなのですが、
みんな文字が多いのです。
それは新海監督自身が「言葉の力」を信じているからではないでしょうか?
画と言葉、音楽で世界を表現する意気込み
新海監督の真骨頂と言えば、美麗な風景画だと思います。
それと同じくらい大事にしているのが、「音楽」と「言葉」なんですよね。
「秒速5センチメートル」でも「茫漠とした時間・・・」というセリフが出てきますが、
「ここでその言葉を使うのか!」と驚いた記憶があります。
雑誌や本だと画を動かすことができないし、音楽を流すこともできない。
だからこそ言葉の力を徹底的に使って丁寧にていねいに、伝えようとしているのです。
他にも「雲の向こう、約束の場所」の時代から
一緒に働いているスタッフへのインタビュー記事もあります。
新海監督がどんな人となりなのか、ありありとわかる言葉で紡がれています。
スタッフの方たちの「君の名は」にかける情熱も。
新海監督の作業場では、みんな和気あいあいとした優しい雰囲気があるそうです。
これは、監督自身の性格が一番の理由ですが、会社員時代に社員の気分を害してしまった経験からだそうです。
映画や小説など、つくり手の人は、人との出来事をまざまざと頭に刻みつけています。
それは人の世界を表現するためには、人との関わり合いが絶対に必要だからです。
どこまでそれを突き詰めていけるか?
どんな想いを胸に作品を作っていくのか?
その気持ちの強さがつくり手には必要なのです。
最後に、作品を作っている最中の新海監督のアップ表情です(EYESCREAM表紙)